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イルカ追い込み漁 リンク集

イルカ追い込み漁(dolphin drive fishing)ないしイルカ追い込み猟(dolphin drive hunting)とは、捕鯨の手法の一つで、クジラを対象とした追い込み漁である。いわゆるイルカと呼ばれるような小型のクジラ目に対して主に使われ、ボートと魚網で大海に至る抜け道を塞ぎ、入り江や浜辺に追い込んで捕獲する。

世界の数箇所でこの漁獲方法によりイルカが獲られており、太平洋北西部の日本、オセアニアのソロモン諸島、大西洋のフェロー諸島や南アメリカのペルーでも行われている。うち、最も多数を捕獲しているのは日本である。

捕獲されたイルカは主に食用にされるほか、一部は生体捕獲されて水族館のイルカショーなど展示や研究用に使われるものもある。害獣駆除の手段として追い込み漁が行われることもあり、その場合にはイルカの死体は飼料や肥料の原料として活用されたり、単に廃棄処分されたりするものもある[1]。

漁に対する批判の高まりが国際的な問題となっているほか、肉の汚染による健康被害の可能性を指摘する見解もあるが、毎年数多くのイルカがイルカ追い込み漁により獲られている。

日本では、都道府県知事の許可するイルカ漁業の一部として、追い込み漁が行われている。スジイルカ、マダライルカ、ハナゴンドウ、ハンドウイルカが最も一般的であるが、オキゴンドウのようなその他何種類かのイルカも獲られることがある。過去には少数のシャチが獲られたこともあったが、現在は捕獲禁止で、学術調査用の特別許可が出た時にだけ捕獲されている。最近では 1997年に5頭が捕獲された例がある[2]。おそらく漁の影響で沿岸水域には比較的少数のマダライルカしか見られなくなっている[3]。2007年の追い込み漁では384頭のマダライルカ、300頭のハンドウイルカ、321頭のハナゴンドウ、243頭のマゴンドウ(コビレゴンドウの亜種)の合計1,239頭が捕獲された。うち77頭のハンドウイルカ、8頭のハナゴンドウ、5頭のコビレゴンドウが、日本のほか中華人民共和国、大韓民国、台湾の施設での一般展示用に生体として販売された[4]。追い込み漁の捕獲実績は、日本の小型ハクジラ類漁獲量全体の1割程度を占める。残り9割は、捕鯨砲や銛を利用した方法で捕獲されており、対象はイシイルカが中心である[5]。(追い込み漁以外の詳細は捕鯨#日本における捕鯨を参照 )

各都道府県による追い込み漁の捕獲許可枠は、2007年9月-2008年8月期(上記の水揚げ年度とは一致しないので単純比較はできない)の場合、マダライルカは809頭(和歌山県400頭・静岡県409頭)、ハンドウイルカは913頭(和歌山県842頭・静岡県71頭)、ハナゴンドウは295頭(すべて和歌山県)、マゴンドウ277頭(すべて和歌山県)となっていたほか、2007年には実際に捕獲されなかった種類であるスジイルカ513頭(和歌山県450 頭・静岡県63頭)、カマイルカ170頭(和歌山県134頭・静岡県36頭)、オキゴンドウ80頭(和歌山県70頭・静岡県10頭)も捕獲枠は設定されていた。これらは、小型捕鯨による捕獲枠や、突きん棒漁による捕獲枠とは別に設定されている[5]。

紀伊半島にある和歌山県の太地町は、日本国内で大規模な追い込み漁が今なお実施されている唯一の町である。前述の2007年の水揚げ実績は、すべて太地町のものである。同町は追い込み漁以外に、捕鯨砲を使う小型捕鯨業と、銛による突きん棒漁の操業地でもあり、ハナゴンドウ約200頭やスジイルカ・ハンドウイルカ各約100頭程度などを捕獲している。太地町のほかでは、静岡県伊東市の富戸漁港が追い込み漁の許可を受けているが、2004年にハンドウイルカ9頭が捕獲されたのを最後に実施されていない[5][6]。2007年に太地町はイルカ漁の拡大を望み、国内でのイルカ肉の消費拡大を目指して巨大なイルカ処理施設の建設のために3億3,000万円の予算を認めた[7]。しかし、批判の高まりとイルカ肉に相応の毒性があることが判明してやぶへびの結果となった。2009年の太地町での最初の漁期には推定50頭のゴンドウクジラと100頭のハンドウイルカが獲られ、うちゴンドウクジラはすべて食用として屠殺された。ハンドウイルカのうち30頭はイルカショー用に生体捕獲されたが、残りの70頭は再び海へと戻された[8]。

活動家による抗議行動は、現在では太地町でよくある出来事となっている。2003年に活動家2人が捕獲されたイルカを逃がすために魚網を切ったとして逮捕され[23]、 23日間拘留された。2007年にはアメリカ合衆国の女優ヘイデン・パネッティーアが漁猟を妨害しようとして日本の漁師との小競り合いに関わった。パネッティーアはオーストラリアとアメリカ合衆国から参加した他の5人のサーファーと共に捕獲されているイルカの群れまでたどり着こうとサーフボードで海に乗り出した。小競り合いはサーファー達が浜辺に連れ戻されるまで10分以上続いた。サーファー達は日本の警察により不法侵入の罪で逮捕されるのを避けて直接関西空港へ向かい、国外へ出た[24]。太地町の漁業協同組合は、これら抗議活動家の「この漁場に関する事実を歪曲し続ける無法振り」と抗議活動家のアジェンダが「国際法にも科学的根拠にも則っておらず、むしろ経済的な自己の利得に基づいている。」ことに抗議している[25]。追い込み漁への抗議活動を行っている動物愛護団体にはシーシェパード、ワンヴォイス[26]、ブルーヴォイス[27]、ホエール・アンド・ドルフィン・コンサーヴェイション・ソサエティ(en:Whale and Dolphin Conservation Society)やワールド・ソサエティ・フォー・ザ・プロテクション・オブ・アニマルズ(en:World Society for the Protection of Animals)などがいる。

漁猟や処理の現場を捉えた写真やビデオを見て高まった批判により、現在では漁の最終段階や処理は公衆の視線を避けてテントやプラスチック製の覆いの下で行われている。最も悪名高く世間に広まった動画はおそらく1999年10月に富戸町で日本の動物愛護団体エルザ自然保護の会によって撮られた追い込み漁と捕獲後の処理の過程<--!(a still of which can be seen on the right)-->である。この映像の一部は多くの報道機関に混ざってCNNでも紹介された。近年この映像はインターネット上で広まり、動物愛護のドキュメント番組『アーシングス』(Earthlings)で採り上げられたが、この映像に写されているようなイルカの殺し方は現在では公式には禁止されている。2009年に日本での漁に対して批判的なドキュメント映画『ザ・コーヴ』が公開され、その他の映画と共にサンダンス映画祭で上映された。1979年に壱岐島で撮られた日本の漁師が浅瀬でイルカを槍で付く画像も広く知られている[28]。

前に言及したように沖合での銛漁は、ほとんどメディアでの注目を引いていない。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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